2011年2月3日 木曜日



先日、私が普段乗っている車(2002年型、走行距離11万キロ)のアイドリングが不調、


修理工場に持っていくと「ディーラーでコンピューター診断してもらわないと原因がわからない」とのこと、


「その前に、自分で診断してやるわい!」とボンネットを開けましたが、何やらプラスチックのカバーだらけで何がどこについているのかさっぱり解らず・・・。


仕方なくディーラーに持ち込んでコンピューター診断を受けるとわずか5分後に「プラグ上に付いているコイルの不調でした。全て交換しましたので!」とのこと。


なんか「修理できた!」という実感が無いまま帰路につきました。


メカニックさんが直してくれたのか、コンピューターの指示で人が動いて直ったのか・・・。


自宅に戻ると、2年がかりで修復した60年前のバイクのクラッチが切れず、ローにもニュートラルにも入らない・・・。


そこで「仮説」を建てました。


恐らくここ数日の寒さで、クラッチ版の間のオイルが固まって固着しているんじゃないか?


早速、フットブレーキペダルを外し、クラッチプレート点検窓を開け、そこに娘の強力ドライヤーを拝借して熱風を吹きつけること20分、クラッチはきれいに切れるようになりました。


仮説通りにことが運ぶとなんと気持ちのいいものか!


いちいちコンピュータ診断しないと原因のわからない現代車と、ドライヤーひとつで直ってしまう60年前のバイク、私はやっぱり古いメカ、機械式が愛おしく思います。


 

2011年2月1日 火曜日



ラリーモンテカルロは1900年初頭に始まった非常に格式の高い、歴史あるラリーとして知られています。


今年、このラリーのヒストリック部門に、東京大学草加教授を中心にした「学生チーム」が参戦しています。


草加先生は、私も個人的にすごく尊敬する先生で、特に「日本のものづくり」を真剣に考えておられ、「座学」よりも「行動」に基づいた「経験」を教育の根源とされていらっしゃいます。


お仕事の傍ら、世界的にも有名なラリーストとして数多くの入賞経験をお持ちです。


また、草加先生がF-1ウィリアムズチームに提案・提供された超高性能ファイナルギアによってウィリアムズが好成績を収めたのは有名な話です。


今回のプロジェクトは、東京大学と関東自動車大学校のジョイントプロジェクトであり、学生の授業の一環で行われているという、まさに画期的で過去例を見ない素晴らしい挑戦であると思います。


私も海外のクラシックカーラリーに参加した経験がありますが、まず車の整備に始まり、車の輸送、そして現地での調整、ラリー中のメカニカルトラブル、完走を目指す精神的負担等々、大変高いハードルをいくつも超えなければなりません。


私の場合は、メカに関してはプロのメカニックに全てをお任せし、輸送等に関しても一切をプロの手にゆだねましたので、現地での走行のみに集中していればよかったのですが、今回のプロジェクトはそれら全てを学生達が行うというまさにこれ以上無い「生きた授業」であると思います。


昨年10月から私自身も草加先生や学生達と交流してまいりましたが、一言で言うと「日本のものづくりはまだまだ行ける!」と強く確信した次第です。


近年、工学部の学生さえも、ものづくりを離れ、金融や証券、いわゆる「ホワイトカラー」に就職の人気が集中するという社会現象に、寂しい思いをしていました。


しかし、このプロジェクトに参加する学生は、誰もが目を輝かせ、オイルまみれになり、自らの手を汚し、ひとつの目標に向かって一心に自分のなすべき仕事を一生懸命こなしている。


本来であれば「お払い箱」となるはずのトヨタTE27を、すべて学生達の手でレストアし、愛情込めて作り上げ、「完走」という目標のために「犠牲心」を持って邁進してきた学生たちのことを思うと胸が熱くなる思いです。


こういう「生きた授業」を信念を持って進めてこられた草加先生には頭が下がる思いと共に、「国家の宝」である、「ものづくりに生きる!」という学生を育ててくださった感謝の気持ちで一杯です。


今頃はゴール間近のモナコ近辺を走っているものと思います。


先ほど現地より【304台中40位!】という素晴らしい報告が来ました。


総合順位よりも、「何者にも換えがたい素晴らしい体験」をした学生達に大きな拍手を送りたいと思っています。


 

2011年2月1日 火曜日



最も錆びにくい表面処理としては金めっき、カドミウムめっきなどがありますが、価格が高い、有害であるなどの理由から一般的ではありませんでした。


そんな中、数ある開発課題の中で、環境に適合した究極の耐食性皮膜の開発は、長年の大きな課題でありました。


そこで「プロトニクスシステム タフテクト」の開発にあたり、のべ3000時間にわたる臨床試験を繰り返し行ないました。


あらゆる腐食環境を擬似的に作り出し、それに使用した試験サンプルは数百枚に至りました。


具体的な試験方法として、塩水噴霧試験、CASS試験を用いました。


いずれもJIS規格で定められた試験であり、試験方法は厳密に定められています。


次回からは、その試験の内容と実際に試験を行なった記録を報告します。