2011年11月11日 金曜日
温故知新 その23

「金属溶融塩電気化学プロセス」


今、私達が取り組んでいる研究テーマである。


電気化学プロセスにおける水溶液系の電析(電気めっき、無電解めっき)においては、電析できる元素に限りがあるが、金属溶融塩においては、溶融できる金属であればほとんどが電析可能である。


この技術が確立されると、過去不可能であった、C(カーボン)、Li(リチウム)AL(アルミニウム)等の電析が可能となり、用途は無限に広がる。


また、Nb(ニオブ)Ta(タンタル)I(イットリウム)等の希少金属の電析も可能である。


現在、私の通う同志社大学院内に研究室を設け、9月より本格的に研究活動を始めている。


基本動作は、過去我々が蓄積してきた基本技術と近いものがあるとは言え、金属塩をコントロールする術においては比較にならないほど、緻密で高度なテクニックが要求される。


通常、電気化学プロセスにおいては陰極と陽極の二極法を用いるが、金属溶融塩プロセスでは三電極法を用いる。その全ての電極の電位をIC制御により初期電位から最終電位までの電位変化をコントロールし、各金属塩の析出電位を算出しながら電解することが求められる、等電気化学の基礎から「超」応用技術までを駆使した研究開発となっている。



近い将来、弊社本社工場にこれらの生産設備を導入し本格的な製造技術となることを頭に思い浮かべながら切磋琢磨する毎日である。