2011年10月6日 木曜日
温故知新 その19

雅楽師 東儀秀樹


 


私の親友に雅楽師の東儀秀樹さんがいる。


彼は千数百年に亘り宮廷音楽である雅楽を継承する東儀家に生まれ、今現在もその重厚な歴史と荘厳な文化を継承し、第一線で活躍されている。


彼自身も宮内庁の職員として宮中儀式を継承するため17年間皇居に勤めるという、我々一般庶民には想像もできない経歴を持つ。


そんな彼と、私のような一般庶民が通常出会える術などはないはずであるが、8年前にひょんなことで知り合った。


 


このブログで私は「温故知新」と言うテーマで色々なことを書いてきた。


先人に学び、歴史や古いものに敬意を表し、そして今を生きる我々が文化を継承しながらたくましく生きると言うようなことを伝えたくて書いてきた。


今日は、その「温故知新」という生き方を見事なまでにスマートに、そして力強く、美しく行動している彼の生き様を紹介したく筆を取った次第である。


 


「雅楽」「宮廷音楽」「宮内庁」と言うような言葉から、彼は我々からするとまさに「雲の上の人」と言うイメージで捉えるのが当然の流れである。


彼と会うと間違いなくそう言う厳格・荘厳というようなオーラを強く感じる。


しかしそれは彼の骨格に流れている遺伝子がそう言うオーラをかもし出しているのであって、実際はとても気さくで和やかで人をひきつける魅力がある。


彼との出会いの共通テーマは「クラシックカー」だった。


実は彼もクラシックカーをこよなく愛し、自らもハンドルを握り数々のレースに出場する、


日本でも有名なクラシックカーエンスージアストなのである。


彼とはあるレースで知り合った。


彼と会う前、私の中ではやはり、荘厳な歴史や文化を継承する、「近づき難いの人」と言うイメージだけはどうしても払拭できなかった。


しかし、彼は車も好きならバイクも大好き、たまたま好きなバイクや車がぴったり一致して意気投合した。エレキギターもやればクラシックもJAZZも大好き、機械をばらしては組み立てたり、バイクの部品を自分でコツコツ作ったり・・・・、彼と会う前のイメージは、良い意味で完全に崩れた。