我が国が今後も世界に君臨していくための最も重要なキーワードはやはり「技術開発」しかない。
キーワードは「斬新」かつ「ユニーク」だ。
そのために必要な発想は、極めて柔軟で臨機応変な考え方が必要で、過去の事例にとらわれない柔軟な発想で技術開発に取り組む姿勢が重要であると考えている。
弊社の技術開発に取り組むシステムは、一般企業に比較して「自由度」の幅がかなり広い。
その「自由度」にはいくつもの意味がある。
ひとつは、前述したように、過去の事例や過去の常識には左右されない風土を作ってきた。
それによって、例えば新入社員が発想したユニークな発案を先輩研究員が具現化して工業化に成功した事例は後を絶たない。
また、各研究員が「自分のやりたい研究テーマ」について、自分で時間を決め没頭する風土が出来上がっている。
当然、テーマを決める際に「どれだけ社会貢献度が高いテーマであるか?」を厳選する。
その上で「社会のニーズと市場の熟成」をターゲットに納期を自分で決めながら開発に没頭することで精度と密度が飛躍的に向上している。
また、研究所とは少しだけ距離を置いた「開発企画室」という部署がある。
この部署は、「開発活動を主に置きながら、限りなく工場サイド寄り」という微妙な位置づけである。
新しい工法や新しい生産システムを開発するために、ありとあらゆる情報を収集し、かつ研究所との連携を絶やさず取り組んでいる。
ここ数年、この開発企画室が生み出した新しい工法や生産システムの成果には目を見張るものがある。
そしてこれらの部署が開発した新しい技術を具体化させる際になくてはならない「部署」ではないが、「匠グループ」がでんと構えている。
膨大なデータや数値ではうまくいかない「匠の技」というものがどうしても必要となる。
そこでこの「匠グループ」の出番がある訳だ。
彼らは「最後の砦」として、過去に何度も危機を救ってきた。
テーブルテストでは完璧に出来上がっていても、いざ工業化となると数値やデータに表すことができない知識と経験が必要であり、その最後の隠れたエッセンスをこの「匠グループ」が仕上げる。
仕上げたものを逆算して研究所が数値化し、フィニッシュする。
この絶妙なチームワークが弊社の技術開発の根源を成している。
今年は彼らのチームワークによって例年にないいくつもの成果が生まれそうな前兆がある。