先日、日経新聞に興味深い記事が出ていた。
ドイツでは製造後30年以上経過した車の自動車税、保険料、車検代を大きく減税すると言うものだ。
「エコ先端国」と言われるドイツがこういう処置に踏み切ったことに私は名実共に最先端国、先進国である深みを感じる。
それに引き換え我が国ではどうだろう?
「製造」ではなく、「登録」から12年を経過した車には加税を、18年経過した車には更に加税を、という法案である。
この法案はいったい何を意味するのか?
答えは明らかである。
「古い車はなるべく早く捨てなさい。そしてエコカー減税を利用してどんどん新しい車に乗り換えなさい」と言う国を挙げてのメッセージである。
超先進国とは全く真逆の方策の裏にある意味を考えてみたい。
我が国では「CO2排出量」と言う決まり決まった一面のみで全てを測っている。
確かに古い車は、ハイブリッドカーの数十倍のCO2を排出していると言われている。
しかし、ハイブリッドカーを一台生産する為に排出される製造時のCO2量はどうなんだろう?
或いは古い車を一台解体してスクラップにして処分する際に排出されるCO2量は?
このあたりの情報は一切公開されない。
まあ、こう言うレベルの法案がどんどん可決されていくと、古いものを大切に使い続ける心、メンテナンスしながら使い続けようという心が無くなってしまうのは間違いない。
確かに私の周りにも「ボンネットを開けたことが無い」という人や「車が壊れたから買い換えようと思う」と言う人が増えている。
何でもかんでも使い捨て時代、これでいいのだろうか?
極端な話かもしれないが、だから「人の心」まで使い捨てにする事件が増えているのではないでしょうかねえ・・・。
超先進国のドイツあたりはこれらのことも考慮した総合評価で地球の温暖化を阻止しようとしている。イギリスも同じである。
いずれにせよ、私はたとえどれだけ古い車に加税されようと、古い車を大切に乗り続けていこうと固い決意をしている。
そして後世に文化の遺産を継承して行こうと心に決めている。