梅雨になると思い出すこと
石松君の生命力の根源はどこから湧いてくるのでしょう?
それは恐らく自分のハンディキャップをもろともせずに、人に迷惑をかけないように自立するんだ!という強い意志以外に無かったと思います。
それに比べて私達人間はどうでしょう?
少し何かが足りないとすぐに愚痴や不平を口にしたり、なにか不都合なことがあるとすぐに人のせいにしたり・・・。
もし私が石松君と同じ境遇に立たされたとき、彼のように明るく元気に前向きに生きることができただろうか?と考えると恥ずかしくなります。
彼が病院から帰ってきたとき、正直「これから大変だ。ご飯も一人で食べれない、トイレは勿論、全ての面倒を見てやらないと」と覚悟しましたが、そんな心配はわずか一年足らずで吹き飛んでしまいました。
一年後には、普通の犬となんら変わらない自立した生活を、彼は成し遂げたのです。
ただし、走るときは超低速で斜め走り、1mに一回は必ずつまずいて顔面を打つ、舌が出っぱなしで、たまに自分の舌にからまってこけることしばしば、喜んだときは「ワン!ワン!」ではなくて「ブヒ!ブヒ!」、でもこれらは全て彼の「個性」として受け入れてやることで、私にとってはかけがえのない良き相棒であり、最愛の友人として強い絆で結ばれていきました。