社長の声
2013年4月2日 火曜日

タイでは朝8時と夕方6時に公共の場やテレビ放送で国家が流される。国民は立ち止まって、国家に対する敬意と感謝の気持ちを表すのだそうだ。


賛否両論はあるかと思うが、私は大切なことだと思う。


自分の生まれ育った国に対して、まず敬意と感謝の気持ちを持つことが基本である。


国や社会に対し、不平不満愚痴を吐く前に、まず平和に暮らせていることに感謝をすることが大切だ。


自分の両親、目上の人、先人達に敬意を表するその先に社会やそして国家がある。


こういう基本的な思想や教育が、今我々日本人に最も欠けているような気がする。



2013年2月25日 月曜日

最近、めっぽう耳にすることの無くなった「ベンチャー企業」。


ベンチャーとは、道なき道を切り開き、勇敢にチャレンジしていく企業の総称だ。


言葉の発祥はやはりアメリカで、1980年代後半から日本でも注目されだした。


一時は「少人数で大企業をもしのぐ卓越した技術力」で一世を風靡したベンチャー企業も多数存在した。


私自身も日本でも草分け的な「新大阪ベンチャービジネスクラブ」に所属し、代表幹事として精力的に活動した。


当時、着実に成長を続け、今なお大きな成果を上げている企業もあれば、消えていった企業も多く見てきた。


そう言う意味では、代表幹事として思い悩んだし、日本でこのベンチャー企業を確固たる位置にとどめることの難しさを痛感した。


留まることができない理由はいくつかある。


ひとつは、資金調達の難しさである。アメリカと比較し、日本はいざ資金調達を行おうとすると銀行以外調達の方法が無い。


しかし、いくら卓越した技術力があっても、担保がないと銀行は融資を行わない。


一方、大きな夢を持ってチャレンジしようとする技術集団は「担保は我々の頭脳」と主張する、この大きなギャップが致命的であった。


アメリカでは希望と期待を持てる技術集団に対し、一般の投資家がポンッと数億円を投資する。


この土壌の差が大きな要因であったように思う。


 


しかし私はある時、資金調達以外の最も大きな要因に気付いた。


留まれない企業の共通したひとつの特徴がそこに潜んでいたのである。


それは、自分達が身を粉にして、最も得意である技術分野で開花し、大きな山を当て「ベンチャーの騎手」として注目される。今まで小さな貸し工場で頑張ってきたが、自社工場を持ち、社員数も増え、社内の体制を整え、「さあ、これから」と言う時に次の一手が空振りする。気を取り直して次の一手を講じるがそれも空振り。


どんどん資金状況が悪くなる。


これが大まか、留まれない企業のパターンだ。


そこには何が潜んでいるのか?


それは「顧客ニーズに対する思い込みと錯覚」である。


一回目の成功が大きければ大きいほど、この錯覚も大きくなる。


すなわち、「俺達が開発したものは必ず売れる!」と言う錯覚である。


留まることのできなかった大半の企業の社長は「市場は我々が作ればいい。我々の技術は必ず新しい市場を生み出しますよ」と言う意気込みがあった。


あみだくじで言うと、「私達が選んだコマをたどっていけば必ず当たりくじに到達する」と言う考えかもしれない。


それはある意味、企業経営者として必要な積極果敢な姿である。


しかし、バランスが崩れるとどうしようもなくなる。


 


大切なことは、まず顧客ニーズがどのあたりに潜在しているのか?を徹底的に分析することが必要ということではないだろうか?


確実に困っている顧客に対し、卓越した技術力で商品を提供していく冷静さが欠けると企業として成長はおろか、留まることすらできない。


厳しい環境の昨今、我々がなさねばならない使命をしっかり見据えて第二次ベンチャーブームが巻き起こることを期待したい。


「ベンチャー企業の騎手」としての意気込みだけは決して失わずに。



2013年2月18日 月曜日

私達の企業としての最大の目的は、言うまでもなく「顧客満足の提供」である。


勝ち残っていく企業の重要な姿勢として、品質、納期、コスト、のみならず更にプラスアルファを構築していかねばならないと考えている。


そのプラスアルファを模索し続けることが、今後の日本企業の成長に求められるキーワードであるように思う。


弊社において、このプラスアルファの構築の為の様々な取り組みを実施している。


例えば、金型事業。


金型と言っても多岐にわたる。樹脂、ゴム、エラストマー、その他、ありとあらゆるものが金型で造られている。


私達は、この金型に対して、離形性、耐磨耗性、潤滑性、耐熱性等の機能性表面処理技術を提供させていただいている。


ところが、ただ単に我々が開発した技術をお客様に提供するだけでは充分な顧客満足度は得られないのではないか?と考えた。


ある時、より良い品質、より良い機能を提供する為に、我々の最も欠けている点に気づいたのである。


それは、金型の構造をはじめ、樹脂やゴムの特性、その他、金型を使ってモノを造っておられる立場の方々との圧倒的な知識の格差である。


本当に良い表面処理技術を提供させていただく為には、我々が金型に纏わる知識を持たない限り、本当の顧客満足度は得られない。


以来、金型設計の基礎技術について外部講師をお迎えし社内勉強会で徹底的に学んだ。


また、ゴムに至っては私自ら兵庫県工業技術センターの山口幸一先生の門を叩き、実際に自分達で練りから加硫、そして成型までを行う技術を徹底的に教わった。。樹脂成型に関しても社内で簡単な離形性試験までは行える体制を整えた。


今現在もその地道な活動を続けている。


結果、15年目にして何とか技術担当の方々のおっしゃる言葉やニュアンスの詳細が理解できるようになってきた。


これがプラスアルファとなり、お客様が求められているものをより早くより高品質で納めさせていただけるベースとなっている。


これが金型事業におけるプラスアルファであると考えている。