社長の声
2013年10月15日 火曜日

30年ほど前の話。


結婚してすぐに、家内と伊勢に日帰りドライブをした。


行きは良かったのだが、帰りの道中、ダイナモが壊れて発電しなくなった。


バッテリーの電気を使い切ったらそこでおしまい、不安がよぎったがそこは若気の至り「何とかなるさ」で伊勢を出た。すると案の定、三重県の山越えの道でエンジンストップ!


まわりは真っ暗で通る車もほとんどない。当時は携帯電話みたいな便利な道具がなかった。


途方に暮れていると、一台の車が止まってくれた。


降りてきた人を見て一瞬たじろいだ。


頭はパンチパーマ、派手なアロハを着ている。


「兄ちゃん、どないしたん?」


「いや、ダイナモが壊れてエンストしたんです。でも大丈夫です。」


正直、この人の世話になるのはちょっと・・・。


「そりゃいかんなあ。どこまで行くん?」


「大阪です。」


「そうか。ワシも大阪の藤井寺まで行くから、インターまでロープで引っ張ったろ。」


「いや、でも100kmはありますから・・・」


「かまへんかまへん、黙ってワシに任せとき!」


あれよあれよと言う間に気がつくと、その人の白いいかついクラウンに牽引されていた。


普通なら100km/hで飛ばせる道を50km/h程度でとろとろ走行。


なんか、後で言いがかりを付けられるんじゃないだろうか?とか法外な請求をされるんじゃないだろうか?と言う不安がよぎった。


1時間ほど走っただろうか?突然サービスエリアに入った。


すると「すまんなあ、ちょっと嫁さんの具合が悪くて。ちょっとだけ休憩させてな。」


「え?後部席に奥さんが乗ってたんだ。」


話を聞くと奥さんは妊娠中で、大阪の実家で出産準備をするための帰省途中だったそうだ。


「そんな大切な時とは知らずにすみませんでした!ここで僕達を置いて早く実家に帰ってください!ここからなら公衆電話もあるしなんとかなりますから!」


「気持ちだけもらっとくわ」とニコっと笑ってまた車を出した。


二時間後に目的の藤井寺インターチェンジに着いた。


なんとお礼を言って良いのか、何度も何度もお礼を言った。後日きちんとお礼に伺おうと住所を尋ねたが、「住所不定やねん!」と冗談で返す一方。


「それでは僕の気がすみません!」と強く言うと「そうか、そこまで言うんなら今から言うことを約束してくれ」と少しすごまれた。


かなりびびった。すると「今日のあんたらみたいに困ってる人を見つけたらワシと同じように助けたってくれや。それがあんたのお礼の気持ちや」と。


なんとかっこいい!カッコよすぎる人を見て涙が出てきた。


後部席の奥さんにもお礼を言うと「この人、基本、ええかっこしいやねん!」


そのままニコっと笑って去って行った。


映画のワンシーンのような実話です。


以来、あの人との約束を今も守り続けています。

2013年10月7日 月曜日

「楽しい=楽」、楽なことは楽しい。楽しいことは楽。


これ、間違ってます。


楽しく生きようと思ったら楽しちゃいかん!


苦労して努力して頑張ったら楽になる。


楽と楽しいをごっちゃにするから怠け者が増えるのだ。

2013年9月24日 火曜日

日本の経済は、アベノミクスで一見潤いだしているような報道が多い。


しかし、相変わらず半導体は絶不調だし、一般経済も目立った好況感は無い。


失業率も横ばいだし、ハローワークには人が溢れかえっている。


中国の経済も「間もなくバブル崩壊」と囁かれているし、ヨーロッパ経済も思わしくない。


少し前に流行った【勝ち組 負け組み】と言う表現で言うと、どこが勝ち組でどこか負け組みなんだろう?


と言うより私はこの【勝ち組 負け組み】と言う言葉、あまり好きではない。


アメリカに住んでいようが、ヨーロッパや中国に生まれようが、いつの世もいつの時代も波があり、浮き沈みのサイクルは世界共通なはずだ。


大事なことは、『目標に向かってスタートして全力で走っているかどうか?』だ。


日本に生まれ、日本で生きている私達は、アベノミクスに頼りすぎず、自らの知恵と手と足と体を使って目標に向かって全力で走ることが大切だと思う。